ホワイトニングは、歯の着色や黄ばみを改善し、自然な白さを取り戻す施術です。
特に審美歯科や一般歯科でも人気の高いメニューで、衛生士・助手の施術スキルが患者満足度に直結します。
ここでは、院内で行うオフィスホワイトニングを想定した流れと注意点を解説します。
目次
1. 施術前の準備
□ カルテ確認・カウンセリング
- 既往歴(アレルギー、妊娠中、無カタラーゼ症など禁忌事項)をチェック
- 患者の希望する白さの目安を共有(シェードガイドで色調確認)
- 施術後の色戻りや個人差について説明し、同意書を取得
□ 口腔内チェックと前処置
- 虫歯・歯周病がある場合は先に治療を優先
- 歯石・ステイン除去を行い、薬剤が均一に浸透しやすい状態に整える
- 唇や歯肉の保護材・リップクリームを準備
2. 施術の流れ(オフィスホワイトニング)
- シェードの測定
- ビフォー写真撮影
- シェードガイドで初期色を記録
- 歯肉・粘膜の保護
- 歯肉保護材(レジン系)を塗布し、光照射で硬化
- 唇・口角はリトラクターで保護し視野を確保
- 薬剤の塗布
- 指定濃度の過酸化水素または過酸化尿素ジェルを均一に塗布
- 歯面全体にムラがないようブラシやスパチュラで整える
- 光照射
- LEDまたはハロゲンライトを一定時間照射(10〜20分×2〜3回が一般的)
- 照射中は患者の目を保護(ゴーグル装着)
- 薬剤除去・再塗布
- 1サイクル終了後、薬剤を吸引・洗浄し、必要に応じて再塗布
- 色調の変化を確認しながら回数を調整
- 最終洗浄・仕上げ
- 口腔内を十分に洗浄・吸引
- シェード測定・アフター写真撮影
3. 施術後の注意点(患者指導)
- 24時間は色の濃い飲食物・喫煙を避ける(コーヒー、赤ワイン、カレーなど)
- 知覚過敏が出た場合は一時的に冷温刺激を避け、必要なら知覚過敏抑制剤を塗布
- 色戻りを防ぐため、定期的なクリーニングやホームホワイトニング併用を提案
4. 衛生士・助手が気をつけたいポイント
- 薬剤管理:濃度・使用期限・保管条件(冷蔵庫管理)を守る
- 安全配慮:薬剤が歯肉や粘膜に付着したらすぐ洗浄
- コミュニケーション:施術中も声かけを行い、患者の不安や不快感を軽減
- 記録の徹底:施術回数・薬剤ロット・照射時間をカルテに記載
5. まとめ
ホワイトニングは単なる施術ではなく、患者のコンプレックス解消や自信向上にも直結するサービスです。
衛生士・助手が正しい流れと注意点を理解し、安全・快適な施術を提供することがリピートや口コミに繋がります。
マニュアルを活用し、日々の臨床に活かしていきましょう。