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【2025年最新】歯科保険点数改定のポイントまとめ

2025年4月、歯科診療報酬が改定されました。
今回の改定では、予防・メンテナンスの評価強化や在宅歯科医療の充実、ICTの活用推進が大きなキーワードとなっています。

この記事では、歯科衛生士・歯科助手の皆さんが現場で知っておきたい保険点数の改定ポイントをわかりやすく解説します。

 

目次

1. 予防・メンテナンスの評価強化

2025年改定の最大の目玉とも言えるのが「予防歯科の重視」。
これまで“ついで”になりがちだったTBIやメンテナンスに明確な点数評価が与えられたことで、歯科衛生士の役割がより可視化されるようになりました。


◆ スケーリング・TBIの点数増加

初期の歯周病治療やTBI(ブラッシング指導)に対し、患者ごとに最適な指導内容を行ったか、時間をかけたかどうかが評価基準に盛り込まれました。

項目 改定前 改定後
TBI(ブラッシング指導) 40点 60点(加算あり)

症状の重さや患者の理解度に合わせて丁寧に指導することが、収益にも直結するようになります。
記録には、指導内容/使用ツール(模型や染め出し)/所要時間の明記が推奨されます。


◆ メンテナンス継続患者への加算新設

3ヵ月以内の再来院患者に対し、継続的な予防管理が行われている場合に点数加算が可能に。
この新設は、「治療後の管理まで含めて評価する」という流れを強化するものです。

▶ 歯科衛生士による定期的な口腔清掃・リスク評価・生活習慣指導の重要性が、制度面でも明確に位置付けられました。


2. 在宅歯科医療に関する点数の見直し

高齢化が進む中で、通院困難な患者への口腔ケアの必要性が増加しています。
2025年改定では、衛生士が訪問に同行して行う専門的口腔ケアが高く評価されるようになりました。


◆ 口腔機能管理加算の拡充

項目 旧点数 新点数
口腔機能管理加算 100点 120点(定期管理加算含)

舌の動きや咀嚼機能のチェックなど、衛生士が関与できる評価項目が増えました。
訪問時の記録には、状態の変化・支援内容・指導内容を記録に残す必要があります。

また、**介護施設や訪問先との連携記録(ケアマネとの共有)**も求められる場面が増えており、助手による書類作成補助も重要です。


3. デジタル(ICT)活用への評価

ICTの活用を前提とした診療が進む中、クラウド型カルテや画像記録の活用も評価対象となりました。

▶ 衛生士や助手による口腔内カメラでの撮影・記録・説明のサポートが、診療報酬につながる要素となっています。

例えば、染め出し前後の画像や、スケーリング前後の比較写真をカルテに添付し、説明内容と連動させることで、指導の「証拠化」=エビデンスが形成されます。


4. その他の注目ポイント

◆ 診療補助の業務範囲明確化(衛生士関連)

今後の監査やレセプト返戻では、「誰が何をやったか」の記録が一層重要になります。

▶ 歯科衛生士が行った処置(TBI・スケーリング・PMTCなど)は、術者名・日付・部位・指導内容を必ず記録すること。
手書きカルテでも、実施の根拠が明確に残るようにしましょう。


◆ 医科歯科連携の推進

糖尿病や心疾患、手術予定の患者など、医科との連携の場面で歯科の介入が重要視されるようになっています。

▶ チーム医療の一員として、周術期口腔機能管理の記録・報告書作成のサポートも衛生士や助手に求められます。


5. 衛生士・助手が知っておくべき現場影響


◉ TBI・スケーリングを担当する衛生士さんへ

  • 口頭だけの指導でなく、視覚的な資料(写真や模型)を活用し、記録も残すことで加算対象になります。

  • 1人1人に応じた個別指導を行ったことがわかるような記録が、改定後はますます重視されます。


◉ 歯科助手さんへ

  • 入力補助やカルテ整理の正確さが、加算や返戻の有無に影響するケースが増えています。

  • 記録様式の統一、記入漏れ防止など、現場の「裏方業務」が保険算定に直結する時代です。

  • 在宅歯科では、同行予定・記録テンプレートの準備・日報作成の補助など、業務範囲が広がっています。

 

厚生労働省ページ

まとめ

2025年の保険改定では、予防処置の質・継続性・記録の正確さが評価のポイントです。
歯科衛生士・助手の皆さんにとっても、日々の業務がますます重要な意味を持つようになってきました

改定の流れを正しく理解して、チーム医療の中で“信頼される存在”を目指していきましょう!

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