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訪問歯科の現場で活躍するために必要な準備と心構え

訪問歯科は、高齢者や身体的な理由で通院が難しい方に、歯科医療を自宅や施設で提供する大切な仕事です。
クリニック勤務とは異なる環境や患者層に対応するためには、事前準備と柔軟な対応力が欠かせません。
今回は、訪問歯科の現場で力を発揮するために必要な準備と心構えをまとめます。


目次

1. 訪問歯科に必要な道具と持ち物チェック

訪問診療では、診療室のような固定設備がないため、持参する機材や物品が業務の質を左右します

  • ポータブルユニット・バキューム:治療器具を動かせる軽量タイプ
  • 滅菌済みの器具一式(ミラー、ピンセット、スケーラーなど)
  • 消耗品(グローブ、マスク、紙コップ、エプロン)
  • 衛生管理グッズ(アルコール綿、ディスポーザブルシート)
  • カルテ・タブレット端末(患者情報や記録用)
  • 緊急対応用キット(止血材、救急連絡先リスト)

💡 ポイント
前日に物品チェックリストで確認すると忘れ物防止になります。


2. 訪問先でのマナーと事前準備

患者さんの自宅や施設は生活の場です。診療環境の確保と同時に、礼儀や気配りも重要です。

  • 到着時間は必ず厳守(訪問は患者や介護者のスケジュールに影響)
  • 挨拶は全員に(患者本人だけでなく、ご家族や施設スタッフへも)
  • 使用スペースを汚さない(床や家具に養生シートを使用)
  • 診療前に環境確認(照明、コンセント位置、作業スペースの広さ)

3. 訪問歯科特有の患者対応スキル

訪問診療では、高齢者や障害のある方への配慮が求められます。

  • 会話はゆっくり・大きめの声で(聴力低下への配慮)
  • 体位や姿勢を優先(無理のない診療姿勢を確保)
  • 介護者との連携(食事や服薬とのタイミング調整)

💡 事例
「嚥下障害がある方は、口腔ケア中にむせやすいので、体を少し起こして作業する」など、現場ごとの工夫が必要です。


4. 安全・衛生管理の徹底

訪問先でも感染予防は必須です。

  • 使用済み器具は専用密閉容器に回収
  • 手指消毒は診療前後だけでなく、器具に触れるたびに
  • 使用後のスペースは元通りに清掃

5. 心構え:柔軟性とチームワーク

訪問歯科は、予期せぬ状況や制限のある環境での診療が多くなります。
そのため、柔軟な対応力チームで動く意識が大切です。

  • 機材トラブルがあっても代替方法を考える柔軟性
  • 医師・介護職・家族とのコミュニケーション力
  • 「患者の生活の質を守る」という共通目標を意識

まとめ

訪問歯科は、器具や物品の準備、訪問先でのマナー、患者対応スキル、感染対策、そして柔軟な心構えが求められる現場です。
これらを意識することで、患者さんにとって安心・信頼できる歯科医療を提供できるようになります。

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