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矯正治療のアシスト業務|歯科衛生士の役割とは

矯正歯科は、歯並びやかみ合わせを整えることで、見た目の美しさだけでなく、機能面の改善も目指す治療です。
その現場で欠かせない存在が歯科衛生士
今回は、矯正治療における歯科衛生士の具体的なアシスト業務や求められるスキル、やりがいについて解説します。


目次

1. 矯正治療における歯科衛生士の役割

矯正治療は長期間にわたるため、患者との信頼関係構築が非常に重要です。歯科衛生士は、治療の補助だけでなく、患者のモチベーション維持や口腔衛生のサポートまで幅広く担当します。

主な役割は以下の通りです。

  • 治療器具の準備・片付け
  • ワイヤーやブラケットの着脱補助
  • 口腔内スキャナーや写真撮影
  • 歯磨き指導(矯正装置専用の清掃法)
  • 治療経過の記録と説明

2. 主なアシスト業務の流れ(詳細版)

矯正治療では、準備・診療中の補助・診療後のフォローの3ステップが明確です。それぞれの段階で求められる正確性やスピードは、患者の治療効率や満足度に直結します。

診療前

  • 患者ごとのカルテを確認し、その日の治療方針や使用器具を把握。
  • 個々の患者に合わせたブラケットやワイヤー、エラスティック(ゴム)のセットを準備。
  • 必要に応じて、口腔内スキャナーや写真撮影機材のセッティング。
  • 器具の滅菌や診療台(チェアサイド)の環境整備。

診療中

  • 歯科医師の視界を確保するための唇・舌の排除や唾液吸引(バキュームワーク)。
  • ワイヤー交換や装置調整時の器具受け渡し。
  • 装置装着後の咬合チェックや、器具の安定性確認の補助。
  • 治療工程の説明を簡単にフォローし、患者の不安を軽減。

診療後

  • 使用器具の洗浄・滅菌作業と在庫確認。
  • 次回来院までのセルフケア指導(専用歯ブラシやフロスの使い方など)。
  • 次回治療内容の簡単な説明と予約の確認。
  • カルテ記録や口腔内写真の整理。

💡 現場のポイント
患者一人あたりの診療時間は限られているため、器具準備や作業の段取り力が業務効率を左右します。


3. 矯正治療アシストに必要なスキル(詳細版)

矯正分野では、一般歯科よりも専門的かつ繊細なスキルが求められます。

  • 専門器具の名称・用途の理解
    ブラケット、アーチワイヤー、チューブ、エラスティックなど、多種多様な器具の特性を理解し、治療工程に合わせて迅速に準備できる知識が必須です。
  • ミリ単位の精密作業能力
    ワイヤーの切断位置やブラケットの固定位置はミリ単位での正確さが求められます。手元の安定性や集中力も重要。
  • コミュニケーション力
    矯正は長期治療になるため、患者のモチベーション維持が大切です。痛みや違和感への対応や、自宅でのケア方法を分かりやすく説明する力が求められます。
  • トラブル対応力
    装置の破損やワイヤーの外れなど、突発的なアクシデントにも落ち着いて対処できる判断力が必要です。

4. やりがいと大変さ(詳細版)

やりがい

  • 患者の変化を間近で見られる
    数か月ごとに歯並びが整っていく様子を見守れるのは大きな喜びです。
  • 感謝の言葉を直接もらえる
    矯正終了後、「笑顔に自信が持てるようになった」という患者の声は大きな励みになります。
  • 専門性の向上
    矯正分野で経験を積むことで、キャリアアップや転職時の評価にもつながります。

大変さ

  • 器具や工程の習得に時間がかかる
    治療のバリエーションが多く、全てを覚えるには数か月〜1年かかることも。
  • 長時間の集中力が必要
    細かい作業が多く、姿勢の維持や目の疲れへの対策が欠かせません。
  • 患者との長期的な関係構築
    数年単位で通う患者のモチベーションを保つためには、根気と信頼関係が必要です。

まとめ

矯正治療における歯科衛生士は、器具の準備や診療補助だけでなく、患者のモチベーション維持や衛生管理まで、多岐にわたる役割を担います。
専門性を高めたい方や、患者と長期的な関係を築きたい方には非常にやりがいのある分野です。

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