\歯科医院でも増加中!その理由と対応のコツを解説/
「最近、口臭を気にする患者さんが増えてきた気がする…」
そんな実感はありませんか?
SNSやメディアでも「口臭ケア」が注目される今、歯科医院への“におい”の悩み相談が急増しています。
本記事では、その背景と実際の対応ポイントを、歯科衛生士・歯科助手向けにわかりやすく解説します。
目次
1. なぜ今「口臭相談」が増えているのか?
口臭に対する関心が高まっている背景には、以下のような要因があります。
◆ マスク生活の影響(セルフ気づき)
- 長期間のマスク生活により、「自分のにおいに気づきやすくなった」という声が多数。
- 会話中にこもったにおいが気になるという新たなストレスに。
◆ SNSや美容・健康メディアでの発信増加
- 「においはエチケット」という認識が広がり、若年層でもケア意識が上昇。
- YouTubeやTikTokで「口臭対策ルーティン」がトレンドに。
◆ 婚活・転職・接客など「対人意識の高まり」
- 対面の場で「口臭がマイナス評価につながるのでは」と不安を感じる人が増加。
- 歯科医院を**“安心して相談できる場所”**と考える方が増えている。
2. 口臭の主な原因と分類
歯科で対応可能な範囲を理解するためにも、口臭の分類は重要です。
◆ 生理的口臭
- 朝起きた時、空腹時、緊張時に起こる自然なにおい。
- 水分補給や唾液の分泌促進で改善可能。
◆ 病的口臭(歯科領域)
- 歯周病、舌苔、むし歯、清掃不良などが原因。
- 歯科衛生士によるPMTC・舌清掃指導・TBIで改善が期待できる。
◆ 病的口臭(内科的)
- 糖尿病、胃腸疾患、呼吸器系の病気など。
- 医科との連携が必要なケースもあるため、見極めが大切。
◆ 心因性口臭(自臭症)
- においがないのに「臭っている」と強く思い込む状態。
- 態度や言葉選びに特に注意が必要。
3. 歯科医院での対応ポイント
◉ まずは丁寧なヒアリングから
- 「どのタイミングで気になるか」「指摘されたことがあるか」など、状況を具体的に聞き出すことが第一歩。
◉ 視診+舌・歯周・プラークチェック
- 舌苔の有無、唾液量、口腔内の清掃状態を確認し、写真に残して患者と共有するのが◎。
◉ 対応は“改善できる”ことを前提に
- 「原因の多くは治療や清掃で改善できますよ」と安心感を与える伝え方がポイント。
4. 口臭に悩む患者さんへの声かけ例
口臭は非常にデリケートなテーマです。相手を傷つけず、前向きに関われる言葉がけを心がけましょう。
● 例①
「気にされている方がとても多いので、お話しくださってありがたいです。」
● 例②
「においの原因はしっかりわかりますので、一緒にケアしていきましょう!」
● 例③
「最近は“予防ケアの一環”として舌の清掃指導も増えています。ご希望があればお伝えできますよ。」
5. 今後に向けた現場の工夫と提案
◆ ポスターやリーフレットで“相談しやすい環境”に
- 「口臭、気になりませんか?」といったソフトな表現で、無言のニーズをキャッチ。
◆ 自費メニューの提案にもつながる
- 口臭ケアをきっかけに、PMTC、舌クリーニング、口腔機能チェックなどの提案も可能です。
◆ 衛生士のカウンセリングスキル強化を
- 今後ますます「話を聴く力」が求められる時代に。
- 院内でのカウンセリング研修やロープレを取り入れるのもおすすめ。
まとめ
“におい”は目に見えないからこそ、不安が大きくなりやすいもの。
そんな悩みに耳を傾けられるのが、歯科衛生士・歯科助手の大きな役割です。
「ただ処置をする」から「寄り添って解決に導く」時代へ。
口臭相談は、患者さんとの信頼関係を深める大きなチャンスになるかもしれません。